２月２４日（水） 　早朝５：００、デリー駅に到着。外はまだ暗い。構内にあるコーヒー・スタンドでチャイを飲む。ここで８：００頃までグズグズと時間をつぶした後、駅前にたむろしているオート三輪をつかまえてジャンパト・ホテルへ行く。デリーを発つ前に部屋の予約をとっておいたので、余裕をもって、ひとまずホテルのレストランでコンチネンタル・スタイルの軽い朝食をとり、１０：００過ぎに部屋へ入る。タックス別でひとり１５０ルピーのツイン・ルームである。僕が部屋に入るなり"やったね"と呟くと、ラッキー氏は"もう凄いよ、マハラジャだよ。何しろバス･タブ付きですからね"と言っていた。 　このジャンパト・ホテルを選んだ理由は、日本にいるＴＡＫＥさんにコレクト・コールによる国際電話をかけるためである。また一度は、バス･タブ付きのホテルでゆっくりとあかを流したかったのと、それらを備えた高級ホテルの中では比較的部屋代が安いとみたからである。もうひとつつけ加えるならば、大洗濯大会を実現するためである。 　インドへ来てから、まだ一度も汚れ物の洗濯をしていない。それというのも、すべてこの日を目指して貯めておいたからである。この大洗濯大会が実に楽しかった。まず、空の湯船に石鹸と自分が身に付けている以外の汚れ物をすべて投げ込む。それから、おもむろに蛇口をひねりお湯を注ぐ。ある程度お湯が貯まってきたら、服を着たまま思いっきり湯船に飛び込み、頭と顔を洗い、一息ついたところで着ている服を全部脱ぎ捨てる。そして、Ｔシャツやパンツなどに充分石鹸を塗り込んで、そいつで体をゴシゴシ洗う。ジーパンなどの生地の固いやつは、足で踏んでいればそのうち汚れが落ちてくる。これで洗濯と入浴が同時に済んでしまうわけである。 　この入浴を兼ねた大洗濯大会に、たっぷり２時間も費やした。 　ＴＡＫＥさんとの連絡は、コレクト・コールを申し込んでから約８時間後の夕方６時過ぎにとることができた。ＴＡＫＥさんは２月２６日深夜のエアー・フランス機でボンベイ空港に降り立つという。ラッキー氏は、電話口で梅干しとお茶を持って来てくれるように頼んでいた。 　明日、早速ボンベイいきのエアー・チケットを購入しなければならない。"また、ボンベイへ行くのか"そんな思いがチラッと胸を掠める。

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