３月１日（月） 　昼過ぎ、アーユル・ベーダー大学へ行き、予想以上の成果を収めることができた。 　この大学に、日本の方で"イナムラ"さんという女性教授がおり、その方の協力を得て、すべてがスムーズに運んだ。イナムラさんは、この大学の教授であり、医学博士でもある"シャールマ"さんと結婚しており、インドへ来てからまだ一度も日本に帰っていないという。民族衣装のサリーを見事に着こなし、現地語にも堪能で、もうすっかりインドの人という感じがした。 シャールマさん夫妻には、大変お世話になった。 　校舎内から図書館、病院の中を、３時間以上もつきっきりで案内していただいた。ＴＡＫＥさんは、とても満足した様子で、薬草を３０種ほど譲ってもらい、アーユル・ベーダー医学の療法や処方が記された本を全６巻買い込んだ。その後、シャールマさん夫妻のお宅に招待されて、僕とラッキー氏は辞退したが、ＴＡＫＥさんひとり出掛けて行き、夜１０：００頃ホテルに戻って来た。 　シャールマ教授夫妻が語ってくれたが、アーユル・ベーダー医学はおおまかにいうと、宇宙の運行や働きを、即人間生命の働きと捉え、患者の治療方法にしても、患部を切り取るという西洋医学的な療法と違い、あくまでも薬草や人間の自然治癒力によって、不用物を体外へ排出させるという立場を貫く医学であるという。 　シャールマ教授夫妻は、日本で開かれる医学関係の研究会に出席するため、６月頃、日本を訪れるという。別れ際にシャールマ教授が、握手をしながらぎこちない日本語で"また会いましょう"といって見せた笑顔がとても印象的だった。

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